世の中のすべてがスピードアップしているようだ。
僕らの世代にはついて行けなくなっているようだ。
僕が仕事から引退する頃のこと、若い人が発言するたびに何度も聞き直すことがあった。彼らはポイントのみたたみかけるように話し、その先を急ぐので、僕などにはどんな文脈でそうした発言が出てくるのか、とまどうことが多かったのだ。
ネットの世界ではそうしたことがもっと極端に起こっているようだ。
加速するネットの進化と,その果てにある“もう一つの地球”:ITpro
『昨年のことだが,Ruby用HTMLテンプレートライブラリ「Amrita2」の作者である中島拓氏は「Railsがこれまでのケースと違うのは,そのスピード感」と喝破している。「Railsの進化は無茶苦茶早い」と。中島氏はその理由を,オープンソースを空気のようにあたり前に呼吸する,新しい世代がかかわっているからではないかと推測する。コードを空気のように吸い込み,吐き出す。そのことによって「次元の違うスピード感」がもたらされている。旧世代にはできない,それをいともたやすく彼らがやってのけるのは,信頼というスキルを獲得しているからと中島氏は言う。
「信頼がRubyの真髄」とまつもと氏も指摘する。すべてのオープンソース・ソフトウエアにとって信頼は真髄ではないか。いや,ソフトウエアに留まらず学術研究や芸術,エンタテイメントなどさまざまな分野でこのような人間の進化が起きていくのかもしれない。
もちろん世界は,信頼することのできる善意だけで作られてはいない。かつてRubyの公式サイトがクラックされ不正侵入を受けたこともある。それでも,「世界にある善意の総量は悪意より大きい」と言うのは,Linuxカーネル・プログラマのミラクル・リナックスCTO 吉岡弘隆氏だ。大げさに言えば,だからこそ人類はこれまで生き延び,文明を築き上げることができた。 』
『冒頭に挙げた「フューチャリスト宣言」のなかで梅田氏は「これから2050年,2060年,2070年にくらいまでにかけて,リアルの地球と対になったような空間ができていきます」と語っている。そこはリアルの世界と違う物理法則で動く「『知』や『情報』の世界」だという。』
人間が変わりつつあると言うことだろうか。どういう風に変わりつつあるのだろう。スピードアップしているというのはその変化の中のひとつでしかないだろう。
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