木曜日, 10月 18, 2007

「手のひら返し」現象とヒール

今朝の東京新聞におもしろいコラムが出ていた。
いずれもマスコミの身勝手さと、民衆の付和雷同現象に対する警鐘だ。
『人気の絶頂から一転、非難の対象ヘ-。そんなドラマがスポーツ界、芸能界で繰り広げられている。ボクシングの亀田一家に、女優の沢尻エリカさん、さらに横綱朝青龍関も。政界では安倍晋三前首相もそのたぐいかもしれない。あつという間に世間が「手のひらを返す」現象が意味するものは?』
『森氏はこの反応を物理学の「相転移」にたとえる。水から氷など、ある臨界状態を経ると物質の形態が一変する現象を意味する。「亀田一家の悪態も沢尻さんの高慢さも、プロとしてのある種の”売り”。政治の方向性だけなら、安倍氏の後任は麻生氏だった。でもそうならず、変わってしまう。これは日本人が臨界状態にあるからでは」世間の「相転移」は付和雷同と一斉傾斜が特徴という。「良い方向に出た例は高度経済成長だが、逆は戦争。阪神大震災から北朝鮮の拉致事件まで、かきたてられた社会不安を監視社会がさらに膨らませている。いまはタレントなどの話で済んでいるが、これが国の方向性に発展すると怖い」』

漫画家の倉田真由美さんは、
『亀田家の進退が、連日マスコミをにぎわしている。確かに、彼らは興味を引くキャラクターだ。もはや彼らはヒーローではなく、完全にヒール(悪役)である。たんかや大見えは、勝っているうちはかっこよく聞こえるが、負ければただの負け犬の速ぼえである。』
『・・・。昨年の村上フアンド、ホリエモン、最近では朝青龍や沢尻エリカ、そして亀田家。「高く上がった者が凋落する」ことに、国中が暗い愉悦を感じているような気がしてならない。非難するのはいいが、節度は必要だ。他人に石を投げる前に、石を持った自分の姿をよく見てほしいと思う。』

・・・と警鐘を鳴らしている。
亀田家の例に見れば、TBSの豹変ぶりが一番際だっていたという。僕は、ボクシングを嘗めているような人の試合を見ることなど興味なく、テレビは見ていなかったが、見ていた精神科医の斎藤学氏によれば、
『・・・面白かったのはテレビ局が敢然とフアンというか世間というか、そうしたものに挑戦していたことで、「へぇ、そこまでやるか、いい度胸だ」と思った。試合が進むに連れ、客席から「ナイトー、ナイトー」とチャンピオンを励ます声が湧き出したが、アナウンサーたちはケガ狙いの反則を繰り返す挑戦者の肩を露骨に持つ。チャンピオンは試合前に「無敗の挑戦者が倒れるのを皆が見たがっている」というようなことを言っていたが、私もつい、そんな気になった。つまり、世間を舐めたテレビ屋の陰謀に乗せられてしまったわけだ。悔しい。』

・・・ということだそうだ。
旧来の日本人の性向と、つまり村社会的な掟のような言動と、最近に見る日本社会構造の疲弊による歪んだ人々の行動とはどこかでつながっているのだろうか?

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SHISHAMOとジャズのリズム

SHISHAMOの武道館でのライブを記録した,ブルーレイディスクを聞いている。SHISHAMOの曲の詞はメロディーに乗せるのがジャズのリズムになっている気がしてしょうがない。そう,これらの詞はジャズのインプロビゼーションそのものだ。