木曜日, 3月 20, 2008

チベット問題の複雑さ

東京新聞から、
『文化大革命(一九六六―七六年)時に、共産党は伝統文化や宗教を徹底弾圧し、六千力所ものチベット寺院を破壊した。チベツト史に詳しい作家の蔡咏梅氏によると、ラサ中心部の世界還産「ジョカン寺」は、壁画や仏殿、仏像が壊され、駐屯する人民解放軍が食料を確保するため、養豚場にされてしまった。がれきの山と化した各寺院の修復が進んだのは九〇年代に入ってからだ。』
『・・・しかも中国は昨年九月、「活仏の転生者選びは、中央政府の承認を必要とする」という新法を施行。七十二歳と高齢になったダライ・ラマの後継者選びにも、厳しい足かせをはめてしまった。』
『ダライ・ラマはインドに逃れたが、市民八万七千人が死亡したともいわれる。ダライ・ラマの帰還を願うチベット人の祈りと、中国ヘの怒りは、四十九年前のこの日に刻み込まれた。』
『ダライ・ラマが求めるのは、チベツト人自らが指導者を選び、宗教と文化を守る高度な自治。国防と外交は中国政府に委ねる。対話と非暴力を旨とする「中間路線」をとってきた。』
『チベットには中国軍の核兵器が多数配備され、核廃棄物の処分場にされていることも障害になった。』
『今回の暴動についても、青年会議のリーダーは「もうがまんの限界だ。中国の大量虐殺をやめさせなければいけない」と指摘。』

漢民族の中華思想は共産党になっても健在だ。デモや騒動があると今回のように報道規制を敷き、武力鎮圧をして、あくまで相手を悪者にする。近年の軍事力のあくなき増強もそうした中国の姿勢に裏付けられている。
今、世界の大国で注意すべきは中国とロシアだと僕は思っている。
チベット問題は、中国のチベット人の大量虐殺を経て、ほとんど漢民族の領土と化し、文化も抹殺されようとしている。
まぁ、アメリカのグローバリズムも世界のモノトーン化に他ならないが、チベット問題に関しては、ミャンマーなどと同じように武力による強引な鎮圧行動だから血なまぐさいものになっている。ここまで、こじれると、民族・文化の抹殺をするしか中国のとれる道はないだろう。
ちなみに、「DNAでたどる日本人10万年の旅」(崎谷満著)によると、出アフリカ3大グループの中で、Y染色体による多形態分析でD系統がまとまって見られるのは、日本列島とチベットが特異性の高い分布を示しているということである。そんなことを知ると、チベット民族を身近に感じられる気がする。

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SHISHAMOとジャズのリズム

SHISHAMOの武道館でのライブを記録した,ブルーレイディスクを聞いている。SHISHAMOの曲の詞はメロディーに乗せるのがジャズのリズムになっている気がしてしょうがない。そう,これらの詞はジャズのインプロビゼーションそのものだ。