日曜日, 10月 21, 2007

"負け組"救済

東京新聞の二つのコラムから・・・、
一つ目はドナルド・ドーア氏のもの・・・、
『「生活保護費抑制のモデル地区だった北九州市で、ついに三番目の餓死事件、それも日記をつけるほど『中流文化』の男だったため、今度は日本でもかなりの騒ぎになった」という報道は、最近イタリア版のインターナショナル・ヘラルド・トリビューンの一面記事となった。』
『小泉・竹中路線の改革論者のセリフは「保護主義・護送船団方式を退け、規制を撤廃して自立精神を重視する。その代わり、弱者、負け組のためセーフティーネットがなければならない」だった。だが、結局穴だらけのネットではないか。』
『英国の主要な対策となっているのは賃金補填である。実は保守党が始めた制度で、その構想の起源は市場原理主義中興の祖ミルトン・フリードマンの「負の所得税」にさかのぼる。』
『元自治省役人の岡本全勝氏が、最低賃金制を論じたそのブログにこう書いている。「生活保護を下回る賃金は、憲法違反といえないでしょうか。生活保護費との差を公費で補填すべし、という議論が出てこないのでしょうか。」』

文化的最低水準の生活を憲法で保障されているはずの日本で、生活保護を打ち切られて、それも半ば強制的に「自立した生活をします」という一筆をとられて、そのあげくの餓死者がでたのであった。このような事態を避けるための生活保護制度であるべきだろう。
もう一つは、藤本由香里氏のコラム・・・、
『二〇〇八年度から生活保護費を削減する方針の厚生労働省は、おととい19日の夜、給付の基本となる基準額(食費・光熱費などの最低生活費)の引き下げ幅など、具体的な内容を話し合う第一回「生活扶助基準に関する検討会」を開催。』
『つまり、働いても生活保護水準以下なのなら、生活保護基準の方を切り下げてしまおう、というわけだ。』
『なんとかしなければならないのは、「人を安く使い捨てる」ことを奨励してきた制度の方であり、生活保護基準の方ではないはずだ。』
『弱者を切り捨てることで国は豊かにならない。今、別の再配分が求められている。』

イギリスの例と比べて考えてみると、民主主義の歴史の差が厳然とあることを教えられる。ドーア氏はしっかりした政治家のリーダーを求め、社会科学者に嘆くだけでなく、まじめに検討することをすすめている。
歴史の積み重ね、学問の積み重ねの重みを感じるなぁ。

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SHISHAMOとジャズのリズム

SHISHAMOの武道館でのライブを記録した,ブルーレイディスクを聞いている。SHISHAMOの曲の詞はメロディーに乗せるのがジャズのリズムになっている気がしてしょうがない。そう,これらの詞はジャズのインプロビゼーションそのものだ。