一昨年に母を亡くし、去年父を亡くした。母が自力で動くのが困難になってきた頃、近くの施設で介護の手続きの仕方を教わり、区役所などの行き来が続いた。ケアマネージャーさんに計画を作ってもらい、ヘルパーさんたちと打ち合わせをし、風呂場の改造、手摺の取り付け、ベッドの借り入れなどが一気に整った。母はおしまいの頃、歯が1本になってしまったので、歯医者さんに出張してもらって入れ歯を治している途中で最後を迎えた。父が仕舞いまで面倒を見ていた。一人になった父は私が手を出すのを最後まで拒否した。とはいっても、朝、父の家にいくと大抵、畳の上で仰向けになり私を呼んでいた。一人でトイレに行くつもりが、紙おむつを取って投げ出すものだから、布団や畳やらが汚れていたのだった。
二人とも最後を迎えるときに、私の顔を見つめたのだった。声は出ないが目で物を言っていたのだろう。その後、息苦しそうな動作とともに心肺停止状態に向かうのだった。母のときは救急車がすぐきてくれたが既に遅かった。病院に運ばれたので、事故扱いになってしまった。葬儀や遺品整理を終えて、家の後始末に取りかかり、やっと一息ついたという感じだ。今までは夢中で動いていたのが、今では精神的な疲れがどっと押し寄せてきたという感じだ。家の始末のつくのに、もう少しかかるから、それが終わったら、ゆっくりさせてもらおう。
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