木曜日, 1月 31, 2008

食の安全について

東京新聞から・・・、
『農薬漬け野菜、抗菌剤まみれのウナギー。ここ数年来続いてきた中国食品の安心・安全に対する不信。折に触れ、報道される中国国内での食品による中毒死事件。中国食品に対する不安が消費者に広がる中、ついに毒入リギョーザが日本の食卓に上ってしまった。問題の背景には、中国当局による食の安全管理が末端まで徹底せず、さらに、水際で防ぐはずの日本の検疫体制が、増え続けるギョーザのような輸入加工品では十分に機能していないことがある。』
『中国政府は「中国が輸出する食品の合格率は日本、米国、欧州各国の検査で99%を超えている」と繰り返し強調。 一方で合格率の低い食品会社約八千八百社に生産停止を命じている。しかし、国内の安全検査の合格率は85%にとどまり、昨年上半期は食品による中毒で九十六人が死亡。前年同期より11%増えており、効果は出ていない。』

輸入食品は中国とタイで大方を占めているそうだ。中国製品については食品以外にも最近アメリカで問題になったばかりであった。
日経サイエンス12月号で遺伝子組み換え食品の特集をしていた。その中に、「食の安全を守る技術」として紹介されていたのが、
『■テロリストによる陰謀や輸入食品の増加,食料生産の集中化によつて,天然由来あるいは人為的原因による食料汚染の可能性が高まつている。
■軍事活動の保護システムを改変した安全手順を採用すれば,食料生産設備にかかわる物理的な安全を強化できる。
■微小流体チップや先進的な無線ICタグ、可食性標識といつた新技術は汚染の検出や原因の究明,迅速な回収を可能にする。
■食料生産に対する政府の規制は合理化されなければならない。しかし,食品の安全性を確保するうえでは,大手販売業者が供給業者に厳しい基準を課すことのほうが有効だろう。』

というような点だった。
同じ号で、遺伝子組み換え技術で生み出された作物で、発展途上国の農業生産性を上げようという論文も紹介されている。
『■遺伝子組み換え作物は発展途上国の農家に利益をもたらし,貧しい消費者に安価な食糧を届けることができるが,万能薬ではない。
■20世紀の「緑の革命」では公的研究機関が多収穫品種などを開発,世界に関連技術を無償で公開し,種子を供給した。これに対し,今日進みつつある「遺伝子革命」で組み換え作物の研究開発を担つているのは多国籍バイオ企業だ。
■組み換え作物が秘める可能性を途上国で開花させるには,各国の風土に合つた品種の開発とともに,知的財産権の扱いや環境影響評価,食品安全性の規制など,制度面の要因を考慮する必要がある。』

この多国籍バイオ企業が噛んでいるところが曲者だ。
『組み換え作物が抱えるリスクの1つは,作物に導入した異種遺伝子が関連作物や野生植物へと拡散する「遺伝子流動」だ。組み換え作物に対する耐性をもつ害虫が出現するリスクや,組み換え作物を口にすることで消費者の健康に害が及ぶのではないかと不安視する向きもある。
2006年の統計によると,米国とカナダでは組み換え作物が全作付面積の60%を占めるまでになっているが,発展途上国では同38%程度で,そのほとんどが中国やインド,ブラジル,アルゼンチンの4カ国に集中している。』

リスクよりも、経済的メリットのほうを優先させているのが現状だ。
この記事の中に日本についての言及がある。
『組み換え作物は食糧増産と貧困解消に加えて集約農業に起因する環境問題解決の一助となる可能性がある(集約農業とは、単位耕作面積あたりに多くの労働力と肥料や農薬を投入して生産性を上げる農業のこと。日本の農業が典型)。』

つまり、中国産の食ばかりでなく、日本の農業もあまりよい評価は得られていないことが分かる。そればかりか、中国は唯一の発展途上国の中で独自の組み換え技術を開発し、綿の生産で非常に高い成果を上げていることが賞賛されている。
日本も、足元をしっかり見つめないと危ないぞ…!外国の研究者は日本の農業には低い評価しか下していないのだ。

水曜日, 1月 23, 2008

リチャード・ストールマン

「YAMDAS現更新履歴」より拝借・・・、
あの気むずかしがり屋で変人とまでいわれるストールマンが踊っている?????
・・・本当だ。
YouTube - Soulja Boy dance, MIT style

月曜日, 1月 21, 2008

文明社会の斜陽

東京新聞、高村薫氏のコラムから、
『私たちの不安は大きく、深い。失われた十年と呼ばれた時代にはまだ、いずれ再びという漠とした希望もあったが、いまもそう思っている人はよほどの資産家か、よほどの楽天家である。』
『三十年も前から何となくまずいと誰もが感じ、改革の必要を唱えながら、今日なおも根本的な構造は変わっていないことも知っている。』
『外需頼みの経済が加速して内需は落ち込み、異様なゼロ金利政策のおかげで円の流出は止まらず、国内の株式市場は年々縮小して、私たちはみるみるうちに貧乏になった。気がつけば、国民一人当たりのGDP (国内総生産)は、いまや世界で十八位である。』
『たとえば穏やかな生活の安定と、日本に暮らすことの控えめな自信と誇りを望むとしよう。その誇りのなかには、言うまでもなく平和も含まれる。高い技術と文化、芸術も含まれる。』
『まずは、千五百兆円もある国民の金融資産が、国内で回るような方策をつくること。企業と市場が、透明性だけでなく、適切な再分配という社会性と公共性をもつこと。戦略的には、いち早く低炭素社会をつくり上げること。技術と頭脳を流出させないこと。装置産業中心の産業構造を、先端技術中心に変えてゆくこと。そのために、大量消費に慣れた私たち自身の生活スタイルを、大きく変えること。また何より、これまでより少し生活のサイズを小さくすること。食料自給率と自然エネルギーの利用率を高めること。そのためのコストを、私たちが負担すること。』
『技術と資金とインフラがこの国にまだあるうちに、こうした大きな軌道修正への意思と知恵をもつ政治家を、私たちは何よりまず、持たなければならないと思う。』
『賃金低下のなかの税制の不均衡や、社会保障の制度的不備は、もう個別のつぎはぎではどうにもならないところに来ており、だからこその混迷と沈滞である。』

誰もが同じことを考えていることだろう。誰もが知っていてだれもが実行しないことだらけなのだ。大同小異のことを別の見方で先日の紙面にも見ることができた。
ロナルド・ドーア氏のコラムから、
『論法は大体こうである。現在日本の上場企業の株の約三割を外資系機関投資家が持っていて、株の売買(いわゆる「出来高」)の約六割が外資機関投資家の株売買による。日経平均下落は、外国の投資家が日本に、そっぽを向いているからである。そっぽを向くのは当然で、日本が悪いとする。』
『むしろ、日本の株式市場がアメリカ投資家に支配される度合いが少しでも減ったと喜び、従業員など、株主以外のステークホルダーを大事にして、短期の利益より、企業の長期的成長を図ろうとする良心的経営者が、株主の利益だけを考える敵対的買収者に乗っとられる可能性が少しでも減った―と安心感を覚える日本人はもういないだろうか。』
『財界の「仰米主義」は霞が関にも見られる。自国の国債をほとんど自国民が持っているという状態は普通の国なら、国の強みとして誇らしい。ところが、三年前から、日本の財務省の役人がロンドンやニューヨークヘ、日本の国債を積極的に売り込もうとしている。』
『それより、財務省が持っている、百兆円にも上る外貨準備の一部を使って、外国人が持っている四十兆円足らずの日本国債を買い上げておいて、国民の債務を減らしたほうがずっと合理的なのに。外貨準備金を、日に日に価値を失うアメリカの国債に投資する代わりに。』

要するに、霞が関、日銀、政治家たちは社会の現実が見えていないのだ。考え方が逆立ちしているのだ。こうした認識錯誤はどこからきているのだろうか。私腹を肥やす、あるいは地域エゴだけのために奔走する。立派な政治家を見つけるのは今の状況では悲観的に過ぎる。学者さんたちよ、いいアドバイスを政治家や霞が関に与えてやってほしい。・・・そうした実力者もいないか?

土曜日, 1月 19, 2008

Flashベースの電子書籍ビューワ、イーブックが発表

ビューワーは無料ということなので、さっそく試してみた。
なかなかいい感触だ。文字の字体も読みやすい。あとは、どれだけの書籍を集められるかだろう。

Flashベースの電子書籍ビューワ、イーブックが発表 - @IT
『イーブック・システムズは1月18日、Flashベースの電子書籍ビューワ「FlipViewer Xpress」を提供開始したと発表した。従来の電子書籍ビューワ「FlipViewer」から機能を削減。その代わりにFlashベースにしてPCにインストールせずに使えるようにした。利用は無料。』

ただし、
『開始当初はアンカー・パブリッシングが発行する電子雑誌や、青空文庫の小説を電子書籍に作り直したもの、写真集、絵本、カタログなどを無料で公開する。今後は出版社に働きかけてコンテンツを拡充していく。コンテンツの閲覧は無料だが、2007年内に有料コンテンツの販売機能も追加する予定。』(http://www.atmarkit.co.jp/news/200701/19/ebook.html)

ということなので、あくまで商業ベースの電子ライブラリを狙っていることは確かだ。しかし、青空文庫の小説を電子書籍に作り直したもの・・・なんかは無料で見れないとおかしいだろう。

木曜日, 1月 17, 2008

ブラックホールの内部構造をスパコンで検証

Slashdotから・・・、
『Anonymous Coward曰く、
英国の物理学者であるホーキング博士は1974年、ブラックホールが光などを放出しながら少しずつ小さくなり、最終的に蒸発してしまうという、いわゆるホーキング輻射の存在を理論的に示したが、 高エネルギー加速器研究機構のリリースによれば、このホーキング博士の理論において、ブラックホール内部に熱源が存在するという予測がKEKのスパコンによるモデル計算で検証されたようである。』

KEK:プレスによれば…、
『・・・今回の研究成果により、ホーキング博士によって理論的に示されているブラックホールの性質が、超弦理論によって説明可能であることが実証されたことになる。』
『本研究では、「弦」の振動を周波数に応じて効率的に数値計算する新しい手法を確立し、ブラックホールの中心付近に端を持つ多数の弦がランダムに揺らいでいる状態(弦の凝縮状態※4)のエネルギーを超弦理論に基づき計算した(図1)。その結果を温度に対してプロットしたものが図2であるが、温度が下がるにつれて、ホーキング博士の理論から導かれるブラックホールのエネルギーの振る舞いに一致することが示された。この結果により、超弦理論の予測するブラックホールの内部が、世界で初めて実証された。』
『超弦理論が、一般相対性理論を素粒子のスケールまで拡張する究極理論として提唱されてから20年以上になるが、具体的な計算の難しさから、その実在性や有用性は明らかでなかった。本研究成果によりブラックホールの持つ性質が超弦理論によって理解できたことは、超弦理論の実在性を示すものである。また本研究により、コンピュータを用いた超弦理論の新しい解析手法が確立したことは、超弦理論を様々な問題に応用する可能性を切り開くものである。』

ひも理論は仮説であったと思っていたが、これは実用になりそうだ。
でも、まだ数値計算の手法の確立が行われただけなんだから、なんともいえないか?
今後の展開が注目されるところだ。

大きな船でも沈む

ビル・トッテン氏のコラムから…、
『先月末、南極大陸沖合を航行中のクルーズ客船「MVエクスプローラー」が海上で氷山と衝突した。乗客100人、乗員54人は救命ボートに乗り移り、全員が無事救助されてクルーズ客船は南極海の底へ沈んでいったという。』
『救命ボートに移って救助を待つ間、客船が浸水し船底が上向きになって沈没するのを見守った乗客は、その後チリ軍基地で一晩を過ごしたあとそれぞれの国へ帰ることができたという。このニュースを読んだときに思ったのは、われわれが今直面しているピークオイル、地球温暖化、そして米国に端を発する爆発寸前の借金バブルのことだ。しかしこの地球全体がエクスプローラーのような運命をたどったとしたら、われわれに戻るところはない。』
『こうしている間にも減少する石油を使い続け、二酸化炭素を排出し、地球温暖化が進んでいく。国連気候変動枠組条約は、2005年の工業国40カ国による温室効果ガス排出量が過去最大を記録したと先月発表しており、また国連開発プログラムの「2007年人間開発報告書」によれば、早急に対応しなければ気候変動で大きな影響を受けるのは二酸化炭素の排出量の少ない1日2ドル以下で暮らす約26億人の貧困人口だという。
先進国においても、石油会社や自由経済原理主義者たちが温暖化と石油の関係を否定したとしても、より強くなる台風やハリケーン被害、その一方で干ばつが作物に及ぼす影響など、もはや無視し続けることはできなくなっている。米国のアトランタでは今、深刻な干ばつに見舞われている。すでに屋外での散水が禁止され、産業や商業用水の節減も検討段階にはいっている。このまま大雨が降らなければ新年には飲み水にも困る状況に陥りかねない。しかし皮肉にも、アトランタの新聞紙面は干ばつよりも金融スキャンダルの最新ニュースで占められている。
これまでにも幾度か主張してきたが、歴史をみると、どんなに強大な文明社会でも一度衰退し始めるとあっというまに崩壊に至ってきた。そして過去に文明の崩壊をもたらしたのは、資源を使いすぎることによる環境破壊、気候変動、そして敵の侵略だったことを、われわれは肝に銘じるべきである。 』

地球の気候変動もそうだが、アメリカに端を発したサブ・プライム問題による世界経済の沈下は大きな犯罪だと思う。犯人の問われない犯罪だ。資本主義で、あるいは、民主主義で人類は生き残れるのだろうか?
救命ボートに乗り換えるにしても、その救命ボートはどこにあるのだろうか?
革新的な科学技術の発展と、世界の指導層の大きな英断が早めに求められる。
あと、半世紀の間にそうしたことが起こってほしいものだ。

火曜日, 1月 15, 2008

シナプス

東京新聞から…、
『ハエの卵の中で神経細胞が腕を伸ばして筋肉細胞とつながり、つなぎ目にシナプスが形作られる様子を撮影することに東京大学の能瀬聡直教授らが成功した。』
『顕微鏡で観察すると①神経細胞から複数の腕(軸索)が伸びてつながる相手を探す②軸索の一つが筋肉細胞の表面に突き出た細胞接着分子に触れる③軸索が触れた場所に筋肉細胞の細胞接着分子が集まり、手をつなぐようにして細胞同士をつなぎ留める④集まった細胞接着分子の周りに足場タンパク質と呼ばれる分子が集まってシナプスを作る土台ができる⑤土台に神経伝達の信号を受け取る受容体などが作られシナプスができる…』

量子力学も神秘的だけど、分子生物学も神秘的だ。この世紀中にいずれにしろ、地球温暖化の問題も含めて、人類が生き残れるか否かが問題になってきそうだから、巨視の世界も微視の世界もいずれも長足の進歩が促されないと困ることになりそうだなぁ…。

コンセント充電車

アメリカのモーターショーで、GMもハイブリッド車を続々と発表したようだが、水素を燃料とするより、電気を動力をするほうが簡単なのか?でも、その電気を調達するのに石炭を燃やしたのでは意味がないから、宇宙空間に太陽光の集光装置を打ち上げてレーザー光線のようなもので地上うに送る方法がサイエンス誌に載っていたような…?
東京新聞から・・・、
『トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は十三日、同日開幕した北米国際自動車ショーの会場で会見し、家庭用コンセントから充電できる「プラグイン・ハイプリッド車」を二〇一〇年までに発売すると発表した。』
『プリウスなど現行のハイブリッド車は、ガソリン対応のエンジンと電気モーターを併用、プレーキをかけた時の力でニツケル水素電池に充電され、モーターが回る仕組みだ。これに対して、プラグイン・ハイプリツドは大容量のリチウムイオン電池を搭載。家庭用電源から四、五時間充電し、充電一回につき数十キロ走行できるようにする。充電した電気を使い切った後はガソリンと電池を併用する通常のハイプリツド車の機能に戻る。』

いずれにしても、地球上の石油はあと六十数年しか持たないのだから、ガソリン以外で走行できる自動車を開発できないメーカーはこの先生き残れないのは確かだ。

どんど焼き・お焚きあげ・左義長

14日の日だったか、土地の神社でどんど焼きをやっていた。
娘と孫と歩いていてそれを見ながら、正月飾りを焼いてもらおうという娘を僕は止めた。僕の頭にあるイメージは、文献からのもので子供たちが田んぼの中を竹を持って歩きまわりながらそのあとそれらの先に団子をつけて焼くようなものだった。
東京新聞から…、
『・・・正月飾りを燃やすおたきあげも、小正月を中心に全国各地で行われる。「どんど焼き」「左義長」など呼び方は異なり、神社以外に、道祖神を中心とした地域住民や、町会などが行う行事もある。』
『・・・「捨てられないほど良質の飾りならば、毎年使っても神さまも機嫌を損ねないのでは。しきたりとしても残るかもしれない」』

アチャー、また、いい加減なことを言ってせっかくの機会を逃してしまった。悪いことをした…。

SHISHAMOとジャズのリズム

SHISHAMOの武道館でのライブを記録した,ブルーレイディスクを聞いている。SHISHAMOの曲の詞はメロディーに乗せるのがジャズのリズムになっている気がしてしょうがない。そう,これらの詞はジャズのインプロビゼーションそのものだ。